
薬剤性EDはその名の通り、
お薬の服用(使用)が原因で勃起不全となってしまうことを言います。
この薬剤性EDは何らかの薬を常用している人や、精神安定剤などを服用している人に多く、勃起不全の原因がお薬の服用にあるという点に気付きにくいといった問題があり、症状をさらに悪化させる危険性があるので注意が必要です。
降圧剤による勃起不全
高血圧の治療に使われる降圧剤ですが、実はこのお薬には勃起不全になりうる副作用があります。
降圧利尿剤のヒドロクロロチアジド、カルシウム拮抗薬のニフェジピンは血圧の低下を目的とするお薬ですが、血圧を低下させてしまうことで性器への血流量が少なくなり、勃起に必要な血液が十分に性器に行き届かないことで起こる症状です。
この降圧剤の副作用からなる勃起不全は薬剤性EDの中で最も気づきにくいとされています。
男性ホルモン抑制剤による勃起不全
男性ホルモン抑制剤はその名の通り男性ホルモンの分泌を抑制するものですが、精子を作ったり勃起を持続させる作用をもつテストステロンも男性ホルモンの一種です。
つまり抑制剤を服用することによって勃起に必要なテストステロンの分泌が抑制されてしまうので、結果として勃起不全の症状を引き起こすのです。
また、テストステロンの分泌は一度低下してしまうとなかなか回復されない為、服用前の状態に戻すことが困難となるので注意が必要です。
精神安定剤・抗うつ剤・向精神薬による勃起不全
心因性EDでも少し触れましたが、精神安定剤や抗うつ剤・向精神薬には人間の中枢系神経に作用し、神経を鈍化させる効果があります。
この中枢神経系は勃起にも大きく関係しており、神経が鈍化することによって勃起が妨げられる状況が慢性的に続く事で勃起不全になってしまうのです。
これらのお薬は
薬剤性EDと心因性EDのどちらの要因も絡む事で起こる混合性EDを引き起こす事になるので服用には十分な注意が必要です。
上記以外にも、薬剤性EDになりやすいお薬をご紹介します。
薬剤性EDになりやすいお薬
抗てんかん剤:勃起を妨げる成分…イミノスチルベン系
睡眠剤:勃起を妨げる成分…パルピツール酸系
抗潰瘍剤:勃起を妨げる成分…H2受容体拮抗剤・抗ドパミン剤
脂質異常症治療剤:勃起を妨げる成分…スタチン系・フィブラート系

これらのお薬の慢性的な服用によって勃起不全の症状が出ている場合には注意が必要です。
薬剤性EDの治療においては、安易にED治療薬を服用する事は避けた方が賢明で、必ず原因となっているお薬を解明し、医師などに相談する事が大切です。
そして原因となっているお薬の服用を中止したタイミングで、通常であれば勃起不全も改善へと繋がっていきます。
薬剤性EDと混合性EDについては重大な事故等を招く可能性も十分にあるため慎重に対策する事をおすすめします。